明治生まれで今も変わらずに残る味、鳩サブレーのお話です。
鎌倉銘菓の鳩サブレーですが、誕生から今まで、何一つ変わっていないのだそうです。
明治の後期、初代店主が店にいると、とある外人さんがやってきて、大きなビスケットをくださったのだそうです。
ビスケットの味に驚いた店主は、これからの子どもたちに喜ばれる味だと信じて研究を始めました。
やがてバターなるものが使われていることを知ります。
でも手に入る状況ではありません。
横浜の異人館に行けば手に入ると知り、早速出かけて買い求めたのでした。
それからの毎日は、取り憑かれたように試作に励んだそうです。
今の形ではなく、単なる楕円形のものでしたが、ようやく納得できる味が完成しました。
丁度その頃、欧州航路から戻った友人に食べさせると「これはフランスで食べたサブレーの味だ」と言われ、サブレーの存在を知ったのです。
サブレーという響きと三郎という日本名の響きに似たものを感じたことと、崇敬していた鶴岡八幡宮の境内の鳩から「鳩サブレー」がネーミングされたようです。
しかし、明治末期のことですから洋風の味に馴染んでくれる人は少なく、売れなかったそうです。
友人・知人へのお遣い物に使ったりしたそうですが、犬のエサにされたり残念なことが続いたそうです。
しかし、10年が過ぎた頃、お医者さんから離乳期の幼児には最適という推薦をいただいたお陰で、だんだんとお客様が増えて来たのでした。
その後も関東大震災や第二次世界大戦などで辛酸をなめることになりましたが、あきらめずに頑張り通した初代だそうです。
やがて、鳩サブレーを作ることができるようになったのですが、初代はその日を迎えることなく亡くなられました。
「鳩サブロー」とつぶやきながら。
その後、時代は変わり世の中が変わっても、鎌倉の鳩サブレーは、明治末期に初代が作った型を使い続けているのだそうです。
そんな逸話を感じながら、鎌倉の街を歩くのも良いかも知れませんね。
すぐに訪れることのできない遠方の方には、お取り寄せもできるようになっています。
初代の味をかみしてみてくださいね。
